新しく猫を迎えたときは

・飼い方

うっかり外に出ることがないよう、家の中を
ご家族全員で点検し、完全室内飼いで飼いましょう。
猫用の段のあるケージを用意し、日頃は扉を開けたままその中で食事やトイレを使わせる習慣をつけておくと、来客時や災害時に役立ちます。

・人と動物の共通感染症について

本来、猫からうつる病気は少ないのですが、人と密接に触れ合うことで感染することがあります。
過剰な触れ合いは控え、動物に触ったら手洗いをしましょう。また、こまめなお手入れで猫の身の回りを清潔にし、糞尿は速やかに処理してください。噛みつかれたときはすぐに流水で洗い流して消毒をし、受診してください。
かかりつけの動物病院で、猫の定期検診を受けさせるなど日常の健康管理に注意し、感染症についても相談できる関係作りを心がけましょう。

 

・もし飼い続けることができなくなったとき

動物を捨てることは犯罪です。決して捨てないでください。
飼い続けられなくなったときは、必ずご相談ください。

20080920-4102

■最初のケア

最初はケージなど猫が安心してくつろげる猫専用のスペースで様子をみてください。無理矢理出さずに、猫が落ち着いたら扉を開けて、そっと見守ってください。そのうち、自分から出てきて新しい環境を自分の目と鼻で確認し始めるでしょう。新しい家に来てから数日間は、猫が自分から近寄って来るのを待つくらいの気持ちで、追い回さないでください。

ケージの内外のトイレと食事と水の場所を教えてください。

猫は新しい環境で、大きなストレス:見慣れない人、今まで聞いたことがない音や匂いを感じています。
今まで兄弟猫やほかの猫と一緒に暮らしていた猫は、1頭になってしまったことに大きなストレスや寂しさを感じます。鳴いてほかの猫を探すかもしれませんが、猫が自分の環境に折り合いをつけるまでそっとしておきましょう。

子猫は、一日のうちの多くの時間、眠って成長します。子猫が眠りだしたら、起こさずにゆっくり寝られるようにしてあげてください。

寝ている間に、子猫の体がピクピク動いたり、時に口がムニャムニャしたり、手足が伸びたりバタバタ動かしたりすることがありますが、それは異常ではありません。心配しないでください。

子猫が十分に睡眠を取って、起きてきたらおもちゃを見せて遊ばせても良いでしょう。ただし、子猫のペースに合わせ5~10分くらいで切り上げ(寝そべって小休止したり、呼吸が荒くなったりしたら即休ませます)、無理強いさせたないように注意してください。

新しい家で、なかなか食事を取らなかったり、トイレを使わない猫もいます。猫がソファの下に隠れてしまってでてこないかもしれません。
それらはすべて猫の行動としては正常ですから心配ありません。

*2~3日ハンストすることもあります。猫がいる部屋を閉め切って、トイレ、水食事を置いて、猫が一人きりになれる時間を作ってあげてください。

大きな音を立てたり、猫のそばで急な動作をするのも猫をおびえさせるので注意してください。徐々にその家の暮らしに慣れてきてから、新しい刺激が加わるのはOKです。

猫の様子を観察して、その猫がどんな性質なのかを把握でききるよう努力しましょう。

多くの猫は、知らない人が来たり、急に立ち上がる動作や大きな音が苦手です。デリケートな性質の子が多いので、飼い主側から猫がいやがるような無理矢理の行動は慎み、猫との信頼関係をゆっくり築いていってください。

 

■トイレ

新しい家に着いたら、まず猫をトイレ連れて行き、前脚で砂をかかせて、ニオイを嗅がせます。
最初はトイレの位置が覚えられなくて、違う場所で排泄してしまう猫もいますが、あわてて叱らず、排泄物をティッシュにとって新しいトイレに置き、再度前足で砂をかかせて、自分の排泄物の匂いを確認させましょう。

*幼い子猫はトイレが我慢できないので、100均のプラスティックの入れ物などを多数用意して、いつでも飛び込めるようにトイレを何カ所にも置いて下さい。

もし、してはいけない場所(お布団の上とか洗面所やお風呂場など)でしてしまった場合は、消臭を丁寧にし、当分その場所に行けなくするのが一番効果的です。同じ場所で2度3度してしまうと、猫はそこがトイレと勘違いしてしまいますので、行かせないようにしてください。

 

■食事

生後2~4ヶ月くらいまでの子猫には1日3回、ベビー用のフードを与えます。
最初は少なめに皿に入れて、食べきったら次の時間に前より多めに入れて食べさせます。便の様子を確認して、問題がなければ皿に入れる量を増やします。

当会で子猫に与えている食事は、ロイヤルカナンもしくはヒルズのドライフードです。ドライフードは猫にとって総合栄養食なので、特に魚や肉など一般食の缶詰を与えなくても大丈夫ですが、ウェットフードは楽しいおやつタイムとして良いコミュケーションツールのひとつになったり、お薬やサプリをあげるときに役立ちます。

生後7ヶ月前後まで子猫用フードを食べさせ、その後成猫用を少しずつ混ぜて徐々に切り替えます。もし、不妊・去勢手術を行い、太りやすくなってきたらライトフードにしてください。新しいフードに切り替えるときには、今までのフードに少しずつ混ぜ、様子を見ながら増やしていきます。

※ロイカナ、サイエンス以外のフードを与える場合は、プレミアムフードと呼ばれる品質の良いものを与えてください。

20100503-0445

■水

新鮮で清潔な水は猫が望むときにいつでも飲めるように、猫の行動範囲内の2~3カ所に用意してください。
猫の腎臓はいつもフル回転で働いているので、腎臓に大きな負担がかかっています。小さい頃からたくさんお水を飲ませて、腎臓が長持ちできるように協力してあげてください。

20100607-0544

■爪とぎ

爪とぎの場所に連れて行き、そこで前足を爪とぎにつかまらせて、爪を研ぐまねをさせます。爪とぎは爪のお手入れと共に、自分の縄張りの印を付ける行為(マーキング)でもありますので、止めさせることはできません。
ソファの角など、して欲しくない場所で爪とぎをはじめたときは、すぐに止めさせて、爪を研いでよい場所に誘導してください。

 

■先住猫がいる場合

先住猫がいる場合、新しい猫に対して、先住猫が威嚇したり怒ったりするかもしれません。最初はケージ越しか、飼い主がそばにいるときだけ一緒にさせた方が無難です。
相手が子猫である場合、怪我をするような本気の攻撃は仕掛けてこないものですが、留守になる、部屋を開ける時間が長くなるときなどは、先住猫と子猫を離しておきましょう。
どんなにふ~しゃぁ~威嚇し合っている猫同士も、大きいケンカに発展させなければ2~3日、長くても2週間以内には相手を受け入れます。長い目で見守ってあげてください。

 

■手入れ

・爪切り
子猫のうちは爪が伸びるのが早く、老猫になるとあまり伸びなくなります。爪切りをしておくと爪とぎの被害や爪によるキズを軽減できますので、定期的に爪を切ってください。

*子猫で1週間前後、大人の猫で10日~2週間に1回は爪を切りましょう。

・コーミング(クシで梳かす)
生後8~10ヶ月までは子猫の毛です。その間はあまり毛が抜けませんが、大人の毛が生え始める時期と換毛期(春先から夏の終わり頃まで)になると、たくさんの毛が抜けます。換毛期になってあわててクシを使おうとしても、猫が嫌がるかも知れませんので、子猫のうちからクシで身体を梳かされることに慣らしておきましょう。猫が一番リラックスしている時間帯を見計らって、最初は優しく撫でるように、無理に毛の根元までクシを通そうとせず、クシに慣らすだけでOKです。

毎日猫の身体を触ることで、猫の健康状態を把握できます。

・セルフグルーミング、猫草

猫はブラシのように突起したその舌で自分の毛を舐め取り、毛並みをきれいにしますが、換毛期にたくさん毛を舐め取りすぎると、毛がお腹にたまってしまい、それを吐き出すことがあります。
猫草を与えると、草の葉のトゲトゲに刺激されて胃の中にたまった毛玉を吐き出しますが、草を好まない猫もいますので、猫草はどうしてもあげなければいけないものではありません。
それよりも、換毛期には毎日クシでむだ毛を取り除いてあげてください。飲み込んだ毛も少量であればウンチに混じって出てきます。

・シャンプー
猫はほとんど体臭がありませんので、特に目立って汚れない限りシャンプーは必要ありません。セルフグルーミングする猫は、部屋をきれいにしておくことで、そんなに汚くはならないものです。

もし、部屋をきれいにしていても猫に汚れが目立つ場合は、いつも通りセルフグルーミングをしているか観察してください。猫は体調が悪くなるとセルフグルーミングをしなくなります。
猫が汚れて見えるときは、体調が悪いサインの可能性もありますので、シャンプーを考える前に、食欲や排泄の様子など日々の行動を観察し、何か気になることがあればすぐに動物病院に相談してください。

 

■その他のケア

季節によって気温や湿度の変化に注意してください。
寒いときには、猫が眠っている場所に毛布などを置き、ペット用のヒーターを備えるなどして、猫が寒くなったらその中に潜り込めるようにしてあげてください。
暑い季節は、熱中症にならないよう、部屋の温度(直接エアコンの風が当たらないよう)や湿気をコントロールしてください。

 

■マイクロチップ

当会でマイクロチップを装着してお渡しする場合もありますが、タイミングによっては、装着していない猫もいます。装着済みの場合は、登録手続きをして頂きますが、登録済み書が届くには1ヶ月程度時間がかかります。また、もし登録内容が間違っていた場合、変更・修正手続きは登録者からの要請でないとできないため直接登録センターに申し出てください。

マイクロチップ未装着の場合は、ワクチン時や不妊手術時に、動物病院で入れてもらうようお願いします。万が一災害が起こって、離ればなれになってもマクロチップで、飼い主がわかる場合があります。マイクロチップは、猫の戸籍謄本と思って下さい。

また、マイクロチップが入っているかどうかは見た目ではわかりませんので、首輪と迷子札装着もお願いします。

 

■ワクチン

子猫は生後2ヶ月目と、その1ヶ月後にワクチン接種をします。その後は1年後にワクチンを接種してください。譲渡後のワクチン接種は掛かり付けの動物病院でご相談ください。

2-20131016-03284

■不妊・去勢手術

不妊・去勢手術は、猫の体重が2kgを超えるか、生後5ヶ月頃を目安に受けさせてください。医学的に最初の発情前に不妊手術を行うと乳腺腫瘍などにかかる確率が非常に低いなど、早い時期に手術することのメリットはいろいろあります。5ヶ月齢で発情する猫もいますので、雄雌一緒に暮らしている場合は特に気をつけて、早めに手術の予約をしましょう。手術後は肥満にならないよう、食事の管理に気をつけてください。

 

猫の体調管理

■吐く
一気に食べて未消化のフードを吐く、或いは毛玉を吐くなど、よく吐く猫もいます。2~3回続けて吐くこともあり、こうした吐物は明らかな異常ではありませんが、吐いた後は2時間程度、絶食絶水させて様子を見てください。吐く内容や、吐き方がおかしい、元気がないと感じたら獣医師に相談してください。

■下痢
下痢をしたときは、その前の食事内容を思い出してください。
いつもと違うフードだったか?食事の量はどうだったか?
いつもと違うフードを食べさせたときは、完全に下痢が治るまでそのフードを食べさせないように。次にそのフードを与えるときは、少量食べさせて問題がないかどうか確認してから量を増やすようにしてください。
下痢が続くときは下痢になった前後の状況をメモし、糞を持参して動物病院を受診してください。

 

● 毎日の観察が長生きにつながります!
・ よく寝ますか?
・ よく食べますか?
・ よく遊びますか?
・ 目に輝きがありますか?目やになどで目が汚れていませんか?
・ セルフグルーミングをしていますか?
・ 口から変な臭いがしませんか?涎を流していませんか?
・ 耳の中はきれいですか?
・ ウンチ・オシッコをちゃんとしていますか?
一日に必ず2回は、上記をチェックしてください。そして何か気になることがあれば早めにかかりつけの動物病院に相談してください。

生きものですから、いつも健康でいられる保証はありません。まして、保護された猫たちはどんな親から生まれ、どんな栄養状態・環境で育ってきたのか、そのバックボーンがわかりません。もしかしたら、若くして病にかかるかも知れません。この先、どんなにゃん生が待っていても、ご家族の愛情で慈しんでください。

猫は人と暮らす伴侶動物です。猫がもたらしてくれる優しい時間、幸せな感触にどっぷりおぼれてください♪

そして引き受けて頂いた小さな命の一生を、最後の瞬間まで見守ってください。

楽しいときも悲しいときも、猫との暮らしが幸せな人生の一部になりますよう願っています。
何かしら不安に思うこと、ご質問はいつでもメールでお問い合せください。

20100115-1846